みかわち焼き

染付秋草文碗 そめつけあきくさもんわん

高9.1cm 口径11.2cm 江戸時代中期(1730~80年代) [佐世保市蔵]

蓋のつまみの内側と外側、そして高台の内側に二重の線が引かれている。丸く立ち上がり口縁部の蓋の受け部分が段になった蓋つきの碗は、中国の清時代に同様の形がある。中国では茶葉を蒸らすために茶碗の蓋を使い、喫茶に使用されたが、日本では飯を冷まさないために蓋をする飯碗として使われた。一般的には飯碗というと高麗茶碗のような大きめのものが用いられていていたが、徐々に現代の大きさに変わっていく始まりとも捉えられる。

有田は17世紀終期から18世紀初期にかけて蓋つきの高級食器としての碗が製作され、本作のように高台に二重の線が引かれている。みかわち焼でも本作の例のように、同様の高級食器を時代的にそれほど遅れることなく制作していたと思われる。
なお有田(鍋島)と異なるのは、より細い線と濃みの細かさ。周囲に枠を入れずに白い地に秋草を直に描いていること、さらに薄手であることである。絵の様子は染付菊秋草文徳利より後の時代(18世紀中期以降)のようでもあるが、元禄時代という見方もある。

江戸時代前期〜後期(17世紀〜19世紀前半)

江戸時代末期から明治前期(19世紀半ば〜後半)

明治から昭和初期(20世紀)