みかわち焼き

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三川内には「皿山」「木原」「江永」の3つのエリアがあります。江戸時代に代官所のあった皿山地区が、現在もみかわち焼の中心として、多くの窯元が集まっています。窯場巡りをスタートする前に、まずは、国道沿いの三川内焼美術館と三川内焼伝統産業会館に立ち寄り、歴史や各窯の特徴などの基本情報に触れておくことをおすすめします。

皿山地区には、江戸時代の窯跡やゆかりの神社、陶磁器意匠伝習所跡など、窯元のほかにもさまざまな関連スポットがあります。皿山の境界に当たる周囲の山々には小さな神社や霊場が点在し、皿山全体が神仏に守られているかのようです。トンバイ塀や馬車道など、町のあちこちに古(いにしえ)の名残りがとどまっています。

みかわち焼は、陶祖の一人高麗媼(こうらいばば=中里ヱイ)を源流とする「中里」姓と、三川内の地における磁器の始祖、今村弥兵衛(如猿)を源流とする「今村」姓が、窯元の多数を占めます。代々伝わる伝統の技を磨き、また新たな境地に挑戦しつつ、それぞれの窯元が得意な専門分野を活かしながら共存しています。

江戸、明治、大正、昭和の各時代の名品が並ぶ展示室と、現在の窯元の作品が集められた空間が併設され、みかわち焼の歴史と現在の姿が一望できる施設です。壺や大皿、花器はもちろんのこと、陶器の時代の陶片、江戸時代の茶道具や細工の置物、色絵などほかではなかなか目にすることができない珍しい作品も展示されています。絵付けや透かし彫りの体験(有料)もできます。

1万2000~3000年前と推定される、世界最古の土器・豆粒文土器は、この佐世保市から発掘されました。ここでは、土器から続く、陶器の時代、そして磁器の時代に至る流れを見ることができます。磁器をつくる以前のみかわち焼の歴史をうかがえる、貴重な陶片が展示されています。また、かつて使われていたさまざまな道具、登窯の模型、そして映像を使い、この産地ならではのやきもののつくり方を解説しています。